八幡山エノテカダイナーに向かう私は真剣そのものだった。こんなに真剣になったのは小学校の道徳の時間、教科書にドラえもんの落書きをしていた時以来である。
だって今日は新年の大イベント、格付けワイン会なんですもん!格付けと言えば勝者は天才ななかGacktかって世界です。絶対に負けられない!!そう思った私はゼロ次会なんかで酒を飲んで感覚を鈍らせてはならない!(なんと8名も17時からゼロ次会やってたそうですね。愚かな...) と試合開始の18時ちょい前に八幡山駅に着きました。するとそこには本日の宿敵1であるWSET Level4 Diploma保持者の「そこのディプロマ」ことKohさんがいた。むむむ。Kohさんもゼロ次会に行かなかったのか、さすがディプロマね!と背後から忍び寄り、階段から突き落としてここで息の根を止めてしまうのも手かと思いましたが、もしかして同じペアになったら儲けモンだから少しだけ敵情視察することにした(私優しい)。「同じ電車だったんですねー!師範の去年の格付けワイン会のブログ読みましたか?」と探りを入れるとそこのディプロマは全く読んでいないらしい。え?なにそれ?やる気あるのか?私なんて去年も読んだけど、格付けワイン会にお呼ばれしたその日から3回読み直したんだけど?
仕方がないので、カメラが仕掛けてあり不正ができないこと、Aのワインを飲んだあとBのワインを飲んだらAに後戻りできないこと、制限時間があること、など敵にブログから知った事前情報を説明してあげる優しい私。そしてぜーったいに全部正解したい!と血走った眼で言う私に、Kohさんは「そんなに当たりませんよ。5問中3問当たれば十分です」と言う。そこのディプロマ、始まる前から試合を放棄してる!ダメーーー!!!と言いつつ、これは私を油断させる作戦か?テスト勉強なんてしてませんっていいながら1番とる嫌なタイプなのか?などと心理戦がもう始まっていたのです。
そんなこんなでエノテカ―ダイナーに着きました。
さてさて始まるよー!!まずはくじ引きで今日のペアを決めます。せーのっ!で決まったのはこんな感じ。
赤:Mayumi&ひろくん(チーム黄金世代)
Mayumiちゃんは強敵なのは知っていました。でもひろくんは私のボーリングの師匠であり、ワインと全然関係ない人だからよゆーよゆー(と思っていましたが、全く違いました)。
白:あいKoh(ayucowではなくあいこう)
そこのディプロマとは同じチームになれなかったので今夜最も強敵になるであろう。やはり駅の階段から突き落としておけばよかったと思ったが後の祭り。それにしてもハチマキ似合いますね。
黄:mishika&まさ(チーム週末アフリカ―)
数々のワイン会を仕切り、ワインの先生もしているまさ兄様。でも負けたくないんです!!
米柱&ayucow(チーム炭水化物)
論外。ごめん。敵ではないと瞬時に判断した二人です。ayucowさんはピンクのハチマキが似合い過ぎて、地下アイドルの追っかけをしているおっさんにしか見えませんでした。
緑:ましゅまおさん&師範(チーム親子)
ここが今夜の宿敵2になるのは間違いなかろう。半世紀くらいワインライフを送っている生きる化石みたいな師範と、飛ぶ鳥を落とす勢いの若きソムリエ―ルのコンビである。絶対に負けたくない...!
青:天才なな&アレン(チーム17歳)
そして我々、WSET Level3の私とワインエキスパートのアレンさん。なんだかんだと二人とも資格持ちです。負けるわけがなかろう!!
今宵、師範を負かせば化石の経験よりも資格保持者が勝つという証明になるはず!今宵、そこのディプロマを負かせば私もディプロマを取ったことになるはず!(なりません)
そうして試合開始のゴングが鳴った。
問1)泡
左A:クレマンドブルゴーニュ4000円
右B:シャンパーニュ10000円
これは、Aを飲んだ瞬間にすぐにこいつそんなに高くないコだなと確信。シンプルな泡。で、Bを飲んだらビスケットやパンに代表される酵母の香り、熟成したシャンパーニュだなと。制限時間は1分半でしたが全く時間がいらない。私もアレンさんも高い方はB!と札を挙げ、終了。
で、宿敵たちはいかにー?!と思ったら全員正解でした。サービス問題ってやつですね。
問2)白ワイン
左A:北海道のゲヴュルツトラミネール3000円
右B:アルザスのゲヴュルツトラミネール4000円
Aも余韻は長かったけど、Bはもっと複雑さのある熟成されたワインだなと思って即Bと判断した私です。アレンさんもB。今のところチームの心は一つです。
そして調子づいてこれ、リースリングだよね!こんなん楽勝!などと言っていました。アレンさんはAはマスカット?と言っておりましたね。そこのディプロマはトロンテスかと思ったと言っていたので、とにかくアロマティック品種だと判断できたからいいことにします。
ここまで2問連続で正解した我々のチームはかなり鼻高々でした。
問3)赤ワイン
Aは飲んだときに、ものすごいシソと牧場を感じまして。過去に赤ワインで牧場を感じたのはたいて日本ワイン。あと品種だとガメイとピノノワール。でもよくわからない。
Bは熟成したオレンジがかった色とタンニンが高いところからネッビオーロなのか?と。でも酸がそんなに高くないから違うかなーなんだろなと、こちらも全くわかりませんでした。
ただ風味の複雑さという観点から絶対にBのほうが高いだろうと判断してBを選択。アレンさんもBを選択。票が割れたら血みどろの殴り合いをして決めようと言っていたのでまたもや喧嘩を回避できてほっとしました。そして結果発表!
右A:カオールのマルベック5200円
左B:ボルドー2700円
がーん!は、ハズした... ...悔しい!悔しい!悔しい!小学校の卒業アルバムに両はみパンしてる自分の写真が載ってしまったのを見つけた時と同じくらい悔しかったです。
そこのディプロマも「Bはいいワインですよ」と断言していたのにハズしてズコーってなってました(最後まで「値付けしたインポーターが間違ってる」と言ってディプロマの意地を見せてくれました)。
これで全問正解はましゅまお&師範ペア、mishika&まさペアのみに。この時の師範のよゆーな顔!上からな態度!ムキ―――っ!!
問4)赤ワイン
Aは飲んだときに、すぐに干しブドウ感を感じて、絶対にブドウ干してるなと思ったんです。この甘やかさからアマローネ?でもアルコール度数そこまで高そうじゃないし、凝縮感もそこまでじゃなからアマローネではないのかな?もしやこの甘さってカリフォルニアワイン?でもばあちゃん干し柿作ってたけど作るの大変そうだったし、干し柿って高いよね?アパッシメント=高いはずっていう思考から抜け出せなくなりました。
Bはその後サラッと飲んで酸高いけどそんなに複雑じゃないよーな... ...と高い方はA!と判断。そして仲良しアレンさんもAと判断。4問とも同じ選択をした我々だったのですが、他のチームは全員Bを選択しており... ...結果は
左A:ロマーニャサンジョヴェーゼアパッシメント2300円
右B:米ワシントン州ワラワラヴァレーのサンジョヴェーゼ13000円
というわけでまた我らハズしたのでした。もう立ち直れない。帰っていい?
問5)甘口ワイン
Aはとってもピュアなブドウを感じて、きっとアイスワインなんだろうなーと予想。そしてBを飲んだらオークを使った熟成香と貴腐の香りとか複雑さをぶわーっと感じまして、ソーテルヌですかこれみたいな。そうなったらB!と私は札を挙げ、そして今まで完全に意見が一致していたアレンさんがAを挙げるという波乱(酸が圧倒的にAが高いという理由だった)。
う... ...どうします?殴り合います?
アレンさんに自信のほどは?と言われ、自信があるかないかより、ゆずって負けたら悔しすぎる!と大昔のことを思いだしていたのです。
それは忘れもしない小学2年生...か3年生(忘れてる😇)の時のこと。隣の席の運動ができて頭のよい古川くんが好きだったのですが、ある日の算数のテストで早く解き終わった私はちらっと古川くんの答案を見てしまったのです。そしてその答えが私の答えと違っていたので、焦って古川くんと同じ答えに書き直してしまったのです。で、結果間違った。それも答案を隣の人と交換して採点するという方式だったので、古川くんに「僕の答え、見て間違ったでしょ?」って言われてしまいましてね。好きな男子に不正を指摘された上に、間違ったわけで、その日から絶対に自分を信じよう!と思うようになったのです。そんなわけで(長い理由ですみません)、アレンさん、私は私を信じたい!と言ってアレンさんの意見を押しのけBを選択。結果
A:アイスワイン7700円/200ml
B:シャトーリューセックのセカンドワイン3200円/375ml
というわけで、敗北したのであります... ...(アレンさん本当にごめんなさい)。
これで5問が全部終わり、全く相手にしていなかった米柱&ayucowペアと同じビリに。でも他の4チームも同列トップだったので、頂上決戦しましょうよ!ということに。
今度は①国、②品種、③アルコール度数、④ヴィンテージを当てるという試合が開始されました。
アレンさん①アメリカ、②CS、③14.5、④2021
私は①フランス、②メルロー、③13.5、④2015
と意見は別れましたが、先ほどの私のやらかしを考えて、今回はアレンさんの意見を通し、国と度数の2問正解!(私が品種を言い張れば3問正解だったのが悔しい)で、なんとか2つ繰り上がってましゅまお&師範ペア、mishika&まさペアと同列2位になったのでした。そして一位はタダのボーリングの人だと思っていたひろくん&Mayumiペア、そしてそこのディプロマ&あいさんペアが同率1位となりました。おめでとーーー!!
いやー面白かった。悔しさで今でも震えてるけどめっちゃ面白かった。こんな面白いの月1でやりたい!次はぜーーーーーーーーーーーーーーーったいに負けない!!
美味しいごはんを作って問題を出してくれたエノテカダイナーの中村さん、
なかなか意地悪な問題をありがとうございます!
またぜひよろしくお願いします!
ワインの詳細はこちら師範のブログでお確かめください❤